外国人スタッフを雇用している企業の人事・総務担当者にとって、在留期限の管理は避けて通れない業務だ。しかし実態として、「パスポートのコピーを取ってファイルに閉じているだけ」「誰がいつ更新時期を迎えるか把握できていない」という企業は少なくない。

在留期限の管理を怠ると、最悪の場合不法就労を助長した企業として行政処分・刑事罰の対象になるリスクがある。担当者が「知らなかった」では済まされない。

本記事では、外国人を雇用する企業の人事・総務担当者向けに、在留期限管理の基本と不法就労リスクの実態、そして今日から実践できる管理体制の整え方を解説する。

千葉県の外国人雇用の現状:在留管理の必要性を数字で理解する

外国人労働者数9.2万人・前年比+17.3%が意味すること

9.2万人 千葉県内
外国人労働者数
+17.3% 前年比増加率
15,059 外国人雇用
届出事業所数

出典:厚生労働省・千葉労働局「外国人雇用状況の届出状況」(各年10月末時点)

千葉県内の外国人労働者数は約9万2,000人(前年比+17.3%増)に達している。届出事業所数も15,059社にのぼる。全国では約257万人(前年比+11.7%増)と拡大が続いており、外国人雇用はもはや一部の大企業だけの話ではなく、中小企業にとっても日常的な経営課題となっている(出典:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」各年10月末時点)。

こうした状況下で、在留期限や在留資格の適正な管理は、企業として当然果たすべき義務となっている。問題が起きてから対処するのではなく、日頃からの管理体制を整えておくことが企業リスク対策の基本だ。

在留資格の種類と更新タイミングの違い

外国人労働者が持つ在留資格は一種類ではない。技術・人文知識・国際業務(いわゆる「技人国」)、特定技能1号・2号、技能実習、高度専門職など、業種や雇用形態によって在留資格は異なる。

在留期限の長さも資格によって異なる。例えば「技術・人文知識・国際業務」は1年・3年・5年のいずれかが付与される。「特定技能1号」は最長5年(1年ごとの更新が基本)、「特定技能2号」は条件を満たせば無期限更新が可能だ。複数の在留資格を持つ外国人スタッフを雇用している企業では、更新タイミングがバラバラになり、個別に把握しないと見落としが生じやすい。

在留資格と就労可能範囲のミスマッチも問題になる

在留期限だけでなく、在留資格の種別と実際の業務内容が合致しているかどうかも確認が必要だ。例えば「留学」の在留資格を持つ人を資格外活動許可なしにフルタイムで就労させた場合、不法就労に該当するリスクがある。在留カードの確認時には、資格の種別と就労可能範囲(活動制限の有無)も合わせてチェックする必要がある。

不法就労リスクの実態:企業が問われる「使用者責任」

不法就労助長罪とは:企業が問われるケース

入管法(出入国管理及び難民認定法)では、不法就労者を働かせた事業主・雇用主に対して不法就労助長罪が適用される可能性がある。この罪は、雇用主が「知らなかった」場合でも、在留資格の確認を怠るなど過失が認められると処罰の対象となり得る(入管法第73条の2)。

⚠️ 不法就労助長罪の主なリスク
在留期限切れ見落とし 不法就労状態が継続 入管・労働局の調査 企業の行政処分・刑事罰リスク

不法就労助長罪の法定刑は、従来「3年以下の拘禁刑(懲役)または300万円以下の罰金」とされ、法改正により「5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金」への引上げが行われている(両科もあり。施行時期・最新の罰則は出入国在留管理庁の公表をご確認ください)。企業の担当者個人だけでなく、法人も処罰対象になる「両罰規定」が設けられている。

また、行政上の処分として、出入国在留管理局による指導・是正勧告の対象になることもある。企業のブランドイメージや取引先との関係にも影響しうる。

「知らなかった」は免責にならない:確認義務の考え方

重要なのは、企業側に「在留カードを確認する義務」が課されている点だ。雇用開始時だけでなく、在留期限が近づいた際にも適切な対応をとることが求められる

在留カードの有効期限が切れた後も何か月も気づかずに雇用し続けていたという場合、「担当者が変わって引き継ぎが不十分だった」「忙しくて確認できていなかった」という事情は、法的な免責理由にはならない。

在留期限の管理は「努力目標」ではなく企業の法的義務。担当者が変わっても機能する仕組みを整えることが必要だ。

採用時・更新時の確認チェックポイント

企業として最低限実施すべき確認事項を整理する。

これらを担当者の記憶や属人的な管理に頼っていると、人事異動や担当者の退職時にリスクが高まる。組織として管理できる体制を整えることが重要だ。

在留期限管理の現実的な課題:企業が直面する3つの問題

課題①:更新タイミングのバラつきによる「見落とし」

複数の外国人スタッフを雇用している企業では、それぞれの在留期限が異なる月・年に分散している。ExcelやスプレッドシートでA社のスタッフを管理しているとしても、毎月の確認作業が煩雑になり、ひとりの見落としが不法就労状態につながるリスクがある。

課題②:担当者の異動・退職による「属人化」リスク

外国人雇用の管理を特定の担当者1人に任せている場合、その担当者が退職・異動すると引き継ぎが十分に行われないことがある。在留期限の情報が担当者のパソコンやメモに散在している状態では、組織として継続的な管理が難しい。

課題③:手続きの専門性と申請取次の手配

在留期限が近づいた際、更新申請の手続きは行政書士(申請取次)が担う場合が多い。しかし「どの行政書士に頼めばいいか分からない」「毎回探し直している」という企業も少なくない。信頼できる申請取次の行政書士との継続的な関係がなければ、更新のたびに対応が後手に回りがちだ。

✕ 管理が属人化している状態
  • 担当者のExcel・メモに依存
  • 更新期限の接近に気づかない
  • 毎回行政書士を探し直す
  • 担当者交代で情報が断絶
◎ 組織的な管理体制がある状態
  • 在留情報を一元管理・共有
  • 期限3〜6か月前に自動アラート
  • 担当行政書士との継続関係
  • 担当者が変わっても機能する仕組み

在留管理クラウドによる対策:ビザ顧問〈企業向け〉のアプローチ

在留管理クラウドで「見落とし」を仕組みで減らす

在留管理クラウド ビザ顧問〈企業向け〉は、外国人スタッフの在留情報を一元管理し、在留期限が近づくと自動でアラートを通知するクラウドシステムだ。担当者の記憶や手作業に依存せず、更新時期を組織として把握できる体制を整えることを支援する。

ツールの利用は無料(ツール利用料が無料であり、在留申請の代行費用等は企業と提携行政書士の直接契約による)。中小企業にとっても導入コストがかからない点で、まず試してみやすい選択肢となっている。

提携行政書士との継続的なサポート体制

株式会社MRI(ビザ顧問運営)は行政書士・弁護士ではなく、在留申請の代理・書類作成・申請取次は行わない。実際の申請手続きは、MRIが連携する申請取次行政書士が企業と直接契約して担う。

企業にとってのメリットは、「更新時期が来るたびに行政書士を探し直す」手間を省き、継続的なサポート関係を築ける点にある。在留期限の管理からスポットの申請支援まで、ワンストップで対応できる体制を整えることが目標だ。

在留申請の可否(許可・不許可)は審査機関(地方出入国在留管理局)の判断によるものであり、許可を保証するものではない点はあらかじめご承知おきいただきたい。また、当社は現金の紹介料・謝礼の授受を行わない。企業と行政書士は直接契約関係となる。

まず「在留期限の一覧把握」から始める

在留管理を整備する第一歩は、現在雇用している外国人スタッフ全員の在留期限と資格種別を一覧化することだ。すでにExcelで管理している企業も、「本当に全員分が正しく記録されているか」を棚卸しする機会として活用できる。

一覧化の後は、今後6か月以内に期限を迎えるスタッフを洗い出し、更新手続きの段取りを検討する。この段階で「担当行政書士がいない」企業は、早めに相談窓口を確保しておくことが重要だ。

まとめ:在留管理は企業の法的義務であり、リスク対策の基本

⚠️ 重要事項・役割分担のご説明

株式会社MRI(ビザ顧問運営)は行政書士・弁護士ではありません。在留申請の代理・書類作成・申請取次は行わず、実際の手続きは提携の申請取次行政書士が企業と直接契約して担います。在留資格の許可・不許可は審査機関の判断によるものであり、結果を保証するものではありません。ビザ顧問のツール利用は無料ですが、在留申請の代行費用等は企業と提携行政書士の直接契約に基づき別途発生します。当社は企業への紹介に際して現金の謝礼・紹介料の授受を行いません。

本記事の3つのポイント

  1. 千葉県の外国人労働者数は約9.2万人(前年比+17.3%増)。在留管理は中小企業にとっても日常的な経営課題となっている(出典:厚生労働省・千葉労働局「外国人雇用状況の届出状況」各年10月末時点)。
  2. 在留期限の管理を怠ると不法就労助長罪(従来3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金、改正で5年・500万円へ引上げ)のリスクがある。「知らなかった」は免責にならないため、組織的な確認体制が必要だ。
  3. 在留管理クラウドを活用し、期限アラートの自動化・情報の一元管理・提携行政書士との継続関係を整えることが、リスク対策の現実的な一手となる。

在留管理は「何かトラブルがあったときに対処する」ものではなく、日頃から組織として整備しておく予防的な対策だ。まず現状の在留期限一覧を整えることから始めてほしい。

在留管理クラウド ビザ顧問〈企業向け〉

在留管理を無料で相談する

ツール利用は無料。在留期限の一元管理と提携行政書士のご紹介をサポートします。
(在留申請の代行費用は企業と行政書士の直接契約による)

運営:株式会社MRI(千葉市中央区)/ お問い合わせ後の強引な営業は一切行いません

※本記事中の統計データは、厚生労働省・千葉労働局「外国人雇用状況の届出状況」に基づいています(各年10月末時点)。